soma clinicは、東京・麻布十番でKAP(Ketamine-Assisted Psychotherapy:ケタミン補助心理療法)を提供する自由診療クリニックです。KAPでは、ケタミンの作用によって生じる通常とは異なる意識状態を、心理療法的なプロセスの中で扱います。soma clinicでは、ケタミンを投与することだけをKAPとは考えていません。治療前のPreparation(準備)、ケタミンを用いたKAP Session(セッション)、そして体験後のIntegration(統合)。この一連のプロセスを通して、患者さまが自身の心や身体、感情、これまでの経験を、普段とは異なる視点から見つめるための時間をつくります。
Preparation
→
KAP Session
→
Integration
ケタミンは、もともと麻酔薬として長く使用されてきた薬剤です。KAPでは、麻酔で使用するよりも低い用量のケタミンを使用し、その作用によって生じる意識や知覚、身体感覚の変化を治療の一部として扱います。
体験には大きな個人差があります。身体が軽くなったように感じたり、時間や空間の感覚が変化したり、普段とは異なる視点から自分自身を眺めているように感じることがあります。感情や記憶が浮かんだり、日常では強くとらわれていた考えから一時的に距離が生まれたりすることもあります。
一方で、すべての方に鮮明なイメージや大きな心理的体験が生じるわけではありません。体験の強さそのものを治療の目標とするのではなく、その人に生じた体験を尊重し、その後の治療や日常へつなげていくことを大切にしています。
ケタミンを用いた治療には、薬剤そのものの薬理作用を主な治療効果として利用する方法があります。KAPでは、それに加えて、ケタミンの作用下で生じる主観的な体験にも目を向けます。そのため、soma clinicではケタミンを投与する時間だけをKAPとは考えていません。
体験する前に準備し、ケタミンによる体験を経て、その体験を振り返る。この一連の流れを、一つの治療プロセスとして捉えています。
PREPARATION
Preparation(準備)|体験の前に、準備する
KAPでは、ケタミンを投与する前のPreparation(準備)を大切にしています。Preparationは、これから起こる体験の内容を予測したり、特定の方向へ誘導したりするためのものではありません。これまでの経過や現在抱えていることについてお話を伺いながら、KAPについて理解し、不安や期待を整理し、安心してセッションに臨むための準備を行います。
また、「今回の体験を通して何を見つめたいのか」というIntention(意図)について一緒に考えることもあります。何かを無理に達成しようとするのではなく、起こる体験にできるだけ抵抗せず、好奇心を持って見つめるための準備をしていきます。
KAP SESSION
KAP Session|体験する
セッション当日は、体調を確認し、血圧、脈拍、酸素飽和度などのバイタルサインを確認したうえでケタミンを投与します。soma clinicでは、主に筋肉注射による投与を行います。
ケタミン投与前には、身体と意識をセッションへ向けて整えるための短い瞑想を行います。投与後はベッドに横になり、アイマスクとヘッドフォンを使用して音楽を聴きながら過ごします。セッション中に積極的に会話を続けることを目的とはしていません。外側から与えられる情報をできるだけ少なくし、自分の内側に生じている感覚、感情、イメージ、思考などに注意を向けられる環境を整えます。
体験や身体の状態を確認しながら、必要に応じて追加投与を検討します。ケタミンの作用が落ち着いた後もすぐに帰宅するのではなく、十分に休息をとり、身体状態を確認します。セッション全体の所要時間は約3時間です。
SET & SETTING
Set & Setting|体験を支える環境
KAPでは、薬剤だけでなく、「どのような心理状態で、どのような環境の中で体験するか」も重要だと考えています。これは、Set & Settingと呼ばれる考え方です。
soma clinicでは、医療機関として必要な安全管理を行いながらも、できるだけ「治療を受けている」という緊張から離れられる空間を目指しています。身体を預けて過ごせるベッド。光や外部刺激を抑えるアイマスク。音の細部まで感じられるヘッドフォン。そして、セッション全体の流れを支える音楽。特に音楽は単なるBGMではなく、KAPの体験を支える重要な要素の一つとして位置づけています。
INTEGRATION
Integration(統合)|体験を、日常へつなげる
ケタミンの作用がなくなったところで、KAPが終わるわけではありません。セッション中に感じたこと、浮かんだ感情や記憶、見えたイメージ。あるいは、言葉ではうまく説明できない感覚。
Integration(統合)では、それらを急いで解釈したり、正解を与えたりするのではなく、体験を振り返りながら少しずつ言葉にしていきます。その体験が自分にとってどのような意味を持つのか。現在の生活、感情、行動、人間関係とどのようにつながっているのか。そして、これからの日常の中で何を大切にしていきたいのか。一緒に振り返りながら、セッションで得られた体験を日常へつなげていきます。
01 初回相談・適応評価
まずは現在のお悩み、これまでの治療歴、既往歴、服薬状況などを伺います。KAPについてご説明したうえで、ケタミンを安全に使用できる状態か、KAPが現在の状況に適しているかを医師が評価します。初回相談・適応評価は、来院またはオンラインで受けていただけます。
初回相談・適応評価の結果、KAPが適さないと判断される場合があります。また、他の精神科・心療内科等で継続的な診療を受けている方については、必要に応じて主治医との連携についてご相談させていただきます。
02 Preparation Session|準備セッション
KAP Sessionの前にPreparation Sessionを行います。KAPについての理解を深め、不安や期待を整理し、Intentionなどについて話しながら、セッションに向けた準備を行います。来院またはオンラインで実施します。
03 KAP Session
ご来院後、体調とバイタルサインを確認します。短い瞑想を行い、準備が整ったところでケタミンを筋肉注射します。その後は、アイマスクとヘッドフォンを装着し、音楽を聴きながらベッドで過ごします。必要に応じて追加投与を検討し、ケタミンの作用が落ち着いた後は十分な休息をとります。身体状態を確認し、問題がないことを確認したうえでご帰宅いただきます。全体の所要時間は約3時間です。
04 Integration Session|統合セッション
KAP Session後に改めて時間を設け、体験を振り返ります。体験を急いで意味づけるのではなく、感じたことや気づいたことを整理しながら、それを今後の生活へどのようにつなげていくかを一緒に考えます。来院またはオンラインで実施します。
KAPは、すべての方に適している治療ではありません。soma clinicでは、治療前に既往歴、服薬状況、身体状態などを確認し、医師がKAPの適応を判断します。
セッション当日は、血圧、脈拍、酸素飽和度などを確認し、ケタミン投与後も状態を継続して観察します。また、患者さまの安全・倫理・尊厳に配慮し、医師と患者さまだけでKAP Sessionを行うことはありません。基本的に看護師が同席し、医師・看護師による体制でセッションを行います。安全性を最優先とし、診察の結果によってはKAPをおすすめしない場合があります。
セッション当日のお願い
・お食事は、ご来院の3時間前までにお済ませください。
・水分は、ご来院の1時間前まで摂取していただけます。
・筋肉注射を行うため、肩を出しやすく、長時間リラックスして過ごせる服装でお越しください。
・KAP Session当日は、自動車・バイク・自転車の運転はできません。公共交通機関またはタクシー等をご利用ください。
・遠方からお越しの場合には、近隣での宿泊をおすすめする場合があります。
・セッション当日および翌日は、可能な限り重要な予定を入れず、十分な休息をとることをおすすめしています。
soma clinicでは、KAPをケタミン投与のみの単独施術ではなく、PreparationからIntegrationまでを含めた一連の治療プロセスとして提供しています。
内容
料金(税込)
初回相談・適応評価
11,000円
Preparation Session(準備セッション)
22,000円
KAP Session
165,000円
Integration Session(統合セッション)
22,000円
初回KAPプログラム 合計
220,000円
初回相談・適応評価の結果、KAPが適さないと判断される場合があります。また、他の精神科・心療内科等で継続的な診療を受けている方については、必要に応じて主治医との連携についてご相談させていただきます。
※KAP Sessionのみの単独提供は行っておりません。
※表示価格はすべて税込です。
ケタミンは医療現場で長く使用されてきた薬剤ですが、KAPにも副作用やリスクがあります。soma clinicでは、治療前の診察で既往歴、服薬状況、身体状態などを確認し、KAPを安全に実施できるかを医師が判断します。また、KAP Session中は血圧、脈拍、酸素飽和度などを確認しながら、医師・看護師のもとで状態を観察します。
主な副作用
ケタミンの投与により、一時的に以下のような症状が生じることがあります。
・吐き気、嘔吐
・めまい、ふらつき
・眠気
・血圧や心拍数の上昇
・頭痛
・視覚や聴覚など知覚の変化
・身体感覚や時間・空間感覚の変化
・不安、混乱、恐怖感
・解離感(自分の身体や周囲との距離を感じるような感覚)
多くはケタミンの作用が弱まるにつれて軽快しますが、症状に応じて必要な対応を行います。吐き気が予想される場合などには、状態に応じて制吐薬を使用することがあります。
心理的な体験について
KAPでは、心地よい体験だけが生じるとは限りません。過去の記憶や強い感情が浮かんだり、不安や恐怖を感じたりすることがあります。soma clinicでは、特定の体験を求めたり、体験を無理にコントロールしたりするのではなく、そのときに生じた体験をできるだけ安全な環境の中で見つめられるようサポートします。
KAPを実施できない場合があります
KAPはすべての方に適した治療ではありません。身体疾患や精神疾患の状態、現在使用している薬剤、妊娠の可能性などによっては、KAPを実施できない、あるいは慎重な判断が必要となる場合があります。初回相談・適応評価の際に、現在の状態や既往歴、服薬状況について詳しく確認します。他の精神科・心療内科等で継続的な診療を受けている方については、必要に応じて主治医との連携についてご相談させていただきます。
KAPと、一般的なケタミン治療は何が違うのですか?
初回相談を受けたら、KAPも受けなければいけませんか?
初回相談やPreparationはオンラインでも受けられますか?
KAP Sessionはどのくらい時間がかかりますか?
セッション中はずっと会話をするのでしょうか?
必ず何か特別な体験が起こりますか?
ケタミンの量はどのように決めますか?
吐き気が心配です。
当日は食事をしても大丈夫ですか?
セッション後、自分で帰宅できますか?
KAPは何回受ける必要がありますか?
現在、精神科・心療内科に通院しています。KAPを受けられますか?
家族や付き添いの人と一緒に行ってもいいですか?
健康保険は使えますか?
「自分にKAPが適しているのかわからない」「興味はあるけれど、ケタミンを使うことに不安がある」そのような段階でもご相談いただけます。初回相談・適応評価では、KAPを受けることを前提とせず、これまでの経過や現在の状態を伺いながら、KAPという選択肢が適しているかを一緒に検討します。まずは、初回相談・適応評価をご予約ください。
初回相談・適応評価を予約する